COLUMN 疾患啓発(DTC)とは

疾病啓発活動のひろがり

疾患啓発活動とは、Direct to Consumer(DTC)とも言われ、日本製薬工業協会(製薬協)の2017年5月号のニュースレターによると、

“疾患啓発活動は患者さん等がある疾患を知らない、あるいは治療法を知らないといったことを周知して、その方々が受診し病気を治療する機会としていただくもので、国民の健康・福祉の向上に資するものです。”

と記載されています。

 

製薬業界における位置づけとしては、メディカルアフェアーズの活動に関する基本的考え方(製薬協 2019)の中で、メディカルアフェアーズの果たすべき役割の一つである『医学・科学的情報の発信、提供』に関する業務の例として、疾患啓発活動(学会サテライトシンポジウム開催、医学・科学的コンテンツ発信)が挙げられています。

 

国内の患者団体182件のアンケート回答をもとにした第2回患者団体の意識・活動調査(製薬協 2017)によると、「今後特に強化したい、取り組みたい活動について【優先順位①〜③をつけて回答】」との質問に対して、約25%の団体が「疾病啓発活動(社会的認識の向上) 」を回答するほど、患者団体の中でも疾患認知の向上に取り組みたいと考えていることが分かります。

 

今後特に強化したい、取り組みたい活動 (n=182)

患者団体調査2017

(出所) 第2回患者団体の意識・活動調査(製薬協 2017)をもとにメディウィル作成、割合は優先順位①~③の合計値、上位10項目を掲載

 

企業の疾患啓発活動事例

 

事例①旭化成ファーマ株式会社

 

企業の具体的な疾患啓発活動の取り組み事例としては、旭化成ファーマ社が2020年12月にリリースした「『骨検(ほねけん)-骨にも検診プロジェクト-』」があります。以下、プレスリリースの内容を引用します。

 

“本プロジェクトは、一人でも多くの方々に、骨粗鬆症がご自身およびご家族に及ぼす影響を正しく理解していただき、少しでも骨粗鬆症が疑われる場合には、骨粗鬆症の検査(DXA検査1))が受診できる医療機関に足を運んでいただくきっかけになることを主な目的とした、骨粗鬆症の疾患啓発に特化した活動です。

本プロジェクトの取り組みの一つとして、本日、一般の方に向けて骨粗鬆症に関する基本的な情報をわかりやすく解説したホームページを開設しました。

 

『骨検-骨にも検診プロジェクト-』Webサイト

 

わが国では、骨粗鬆症の患者さんがおよそ1,280万人存在するといわれていますが、骨粗鬆症は痛み等の自覚症状がないことも多く、骨折するまで気づかないというケースが少なくありません。当社は、そのような現状の改善を目的に疾患啓発活動を行い、骨粗鬆症に関する正しい情報を提供することで疾患に対する理解を促し、まだ骨粗鬆症のリスクに気づいていない方々が医療機関を受診し、骨粗鬆症の検査(DXA検査)を受けるきっかけとなることを目指しています。

 

当社は、今後も患者さんや健康を願う人びとの視点に立った取り組みを通じて、健康で心豊かな生活の実現に貢献してまいります。”

 

事例②協和キリン株式会社

 

その他にも、協和キリン社が2020年9月にリリースした「FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症患者を支える~『くるこつ広場』」の疾患啓発活動があります。以下、プレスリリースの内容を引用します。

 

“「くるこつ広場」は、本年の7月末に開設された協和キリンの自社サイトで、一般の方や患者さんを対象に、くる病・骨軟化症の基本情報に加え、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症ならび医療費助成制度のことなどを詳しく解説する疾患情報サイトです。

 

血中リン濃度を調整するホルモンであるFGF23(線維芽細胞増殖因子23 )は2000年に同定され、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断マニュアルが公表されたのは2015年と、この疾患における歴史は浅く、医療関係者においても認知度はまだ高くない状況です。今後、患者さんやご家族が、よりスムーズに信頼できる医療機関を見つけることができるよう、この疾患に対する診療経験を有する専門医療機関を紹介する本コーナーを設けました。またこういった施設は今後、随時追加する予定です。

 

この度のコンテンツ追加について、監修医の伊東伸朗先生(東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科)は以下のように述べています。

 

「X染色体連鎖性低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症は、今では適切な診断法、治療法が確立されているものの、病気の認知度が低いために正確な診断を受けておらず、程度の強い骨変形を生じたり、骨折、骨痛、筋痛などによって車椅子や寝たきりの生活となっている方が数多くおられると危惧しています。「くるこつ広場」が患者さんに対する疾患啓発の場として有効に活用され、習熟した医師との出会いを促し、また疾患を知らない医師の認知度向上に繋がることで、一人でも多くの患者さんの生活の質が劇的に改善することを切に願っています。」

 

協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。”

 

このように企業が主体となって、疾患を知らない医師や、患者さん、患者さんのご家族に対して適切な検査、診断、治療法を啓発することによって、患者さんが健康で豊かな生活を送れるように支えていくことも、疾患啓発活動の大切な意義です。

メディウィルが提供している事例:

旭化成ファーマ株式会社様の事例:骨粗鬆症の疾患啓発「骨検-骨にも検診プロジェクト-」

協和キリン株式会社様の事例:FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の疾患啓発

EAファーマ株式会社様の事例:疾患啓発サイトに自社開発の「いしゃまち病院検索」を導入

 

投稿日:2021年09月03日

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