COLUMN 疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティング活用方法~①デジタル広告とは?~

疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティングとは?

ペイシェントジャーニーに添った疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティング活用方法のコラムで記載しましたが、Googleを中心としたインターネット検索で、健康医療情報を収集する患者さんが多いデジタル時代において、インターネット検索ユーザーに合った情報提供をすることがカギを握ります。

疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティング活用方法

ペイシェントジャーニーにおいて疾患啓発(DTC)のデジタルマーケティング活用法

上記の図のように患者さんはインターネット検索等を通じて、健康医療情報を収集し、製薬企業・医療機器メーカーが発信する疾患啓発Webサイトにたどりつき、Webサイトの情報を閲覧します。閲覧後、自分自身に関連しそうだと感じたら、症状チェックシートに記入したり、病院検索サービスを通じて相談できる病院を探し、病院に受診するという行動をとります。

ただし、この一連のデジタル上のペイシェントジャーニーにおいて、情報収集から受診までの間に以下のように様々な障壁があります。

疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティングの障壁

疾患啓発(DTC)におけるデジタルマーケティングの障壁

特に疾患や治療の解説をしたWebサイトを制作したものの、そのWebサイトの閲覧者が増えないという問題が起きます。大きな原因としては、そもそもで患者さんが探しているキーワードに基づいた情報コンテンツ設計になっていない、つまり検索エンジン最適化(SEO)ができていないことが多く起きています。また、検索エンジンからの流入だけに依存して、認知度向上のためのデジタル広告施策を打っておらず、限られたユーザーにしかリーチできていないことが原因となることも多いです。

本稿では、このWebサイトの閲覧数を増やすためのデジタル広告施策に関して説明していきます。

デジタル広告とは?

デジタル広告とは、インターネット広告とも言われ、インターネット上のWebサイトやWebサービス(検索サイト、ポータルサイト、SNS等)、モバイルアプリ、メール等のデジタル媒体を活用して広告配信することを一般的には指します。

デジタル広告市場は、4マス媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)も含めた広告市場のカテゴリの一部となるのため、基本的には以下の日本の広告費の推移の図のように経済状況と連動します。

日本の広告費の推移(2000年~2020年)

日本の広告費

上記の図のように日本の広告費市場全体は、2000年~2020年にかけては、6兆円~7兆円の間で推移しています。2008年におきたリーマンショック前までの好景気の間では市場全体が伸び、その後景気減速とともに縮小したものの、経済状況の改善により2019年にかけては徐々に拡大していきました。しかし、2020年はCOVID-19の影響を受けて2019年対比マイナス11%の約6.2兆円に落ち込んでいます。

デジタル広告市場の推移

日本の6兆円~7兆円におよぶ広告市場において、デジタル広告市場はどのように推移してきたのでしょうか。以下、電通が毎年発表する日本の広告費をもとにデジタル広告(以下、インターネット広告と同意)の推移をみていきたいと思います。

インターネット広告費の推移

上記の図から分かるように2000年は、テレビが2兆円(全体の34%)を超え、新聞も1.2兆円(全体の20%)を超え、テレビ、新聞で半分以上の広告費を占める時代でした。

ところが、2000年時点では1%の割合だったインターネット広告は、インターネット市場の拡大とともに急速に成長しました。2019年にはテレビを追い越し、2020年時点ではインターネット広告費が約2.2兆円となり、全体の36%を占める最大のカテゴリとなっています。テレビはその間、マイナス21%の約1.7兆円、新聞はマイナス70%の落ち込みとなり、インターネット広告に代替される苦しい立場が続いています。

デジタル広告の種類

インターネットの市場拡大とともに成長してきたデジタル広告ですが、デジタル広告には以下のインターネット広告の種類の図のように主に検索連動型広告(リスティング広告とも言う)、ディスプレイ広告、動画広告、成果報酬型広告があります。中でも検索連動型広告とディスプレイ広告で7割強を占めており、インターネット広告の主要な種類を占めています。

インターネット広告の種類

デジタル広告種別_2020_割合

検索連動型広告とは

検索連動型広告とは、以下の図のようにGoogle等の検索エンジンでキーワード検索した後に出てくる検索結果の画面上位に「広告」という表示とともに掲載されるテキスト広告を指します。この掲載枠は、広告主が出稿したい検索キーワードを選定して広告運用するために検索連動型広告と言います。一方、検索連動型広告の後に出てくる検索結果を自然検索(オーガニック検索)と呼び、Google等の検索エンジンのアルゴリズムによって、キーワードの関連度の高い順にコンテンツが表示されます。

検索連動型広告とは

検索連動型広告とは

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ型広告とは、以下の図のように記事コンテンツ内にバナー画像等で表示される枠の広告を指します。ディスプレイ型広告の特徴としては、検索連動型広告がテキスト広告なのに対して、バナー画像表示することで視覚的に認知度を向上させることができます。検索連動型広告でカバーできない層に認知を広げたい場合に向いている手法です。

ディスプレイ型広告とは

ディスプレイ型広告とは

検索連動型広告とディスプレイ型広告の特徴比較

検索連動型広告の特徴としては、既に検索するキーワードがある程度定まっていて、情報収集意欲が高い患者さん、すなわち自分自身が知りたいことが顕在化している顕在患者さんをターゲットにする場合に向いています。一方、ディスプレイ型広告は、様々な記事コンテンツを読んでいる患者さんに関連したバナー画像をコンテンツの合間に見せるため、まだ知りたいことが明確になっていない潜在患者さんに認知度を高める時に向いています。

基本的には、まずは検索連動型広告で関連するキーワードの広告出稿を検討し、ディスプレイ広告で補完していくという広告戦略が一般的です。

検索連動型広告とディスプレイ型広告の特徴比較検索連動型広告とディスプレイ型広告の特徴比較

まとめ

このように疾患啓発(DTC)のデジタルマーケティングを進めていく上で、Webサイトにアクセスを集めるデジタル広告について解説してきました。Webサイトを立ち上げたけれども、アクセスを増やせずに苦戦している場合には、重要な施策の一つとなります。自然検索(オーガニック検索)結果に対する施策(SEO)は、検索エンジンのアルゴリズムで決まってしまうために受動的にならざるを得ない一方、デジタル広告は広告予算を適切な戦略のもとで投資することで、能動的にターゲット層にリーチすることができます。

メディウィルでは、疾患の特性、ターゲット患者層に応じたデジタル広告戦略を立案し、疾患啓発Webサイトの集客につながるデジタル広告運用をサポートしています。

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投稿日:2021年03月03日

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