株式会社メディウィルは、弊社の菊地栄斗が講師を務めるオンラインセミナー『受診につなげる疾患啓発 ~事例で学ぶ「患者の行動変容」を促す4つの要素~』を2026年9月30日(水)に開催しました。本記事では、当日の講演内容を簡単に紹介します。
目次
生成AI時代では、「次の行動への後押し」が重要
生成AIの普及に伴い、生成AI検索の利用率は急速に伸びています。特にGoogleの「AI Overviews」は、Googleの公式発表によると、月間25億人が使っているということがわかっています。このような生成AIやAI Overviewsの登場によって、サイトをクリックしなくてもユーザーの悩みが解決できるようになり、近年ではサイトを制作してもクリックされない「ゼロクリック問題」が顕在化しつつあります。

しかしながら生成AIの回答内容は、現状まだ疾患名や症状、基礎知識などの一般的な疑問(Knowクエリ)の割合が高い状況です。患者の「受診したい」「検査を受けたい」「病院を探したい」といった具体的なアクション(Doクエリ)には、AIによる回答が表示されにくくなっています。こうした状況のなかで、疾患啓発サイトに求められる役割は生成AIが担えるような「情報提供」ではなく、「次の行動への後押し」へと変化しています。そのため疾患啓発サイトを作る上では、患者の悩みに合わせた病院検索など、行動変容を促す具体的な導線設計が不可欠です。
患者の行動変容を促す4つの要素
患者の行動変容を促していくためには、①戦略設計、②体験設計、③行動導線設計、④計測・改善の4つの要素が重要です。

①戦略設計とは、疾患啓発においてアプローチすべき対象と診断に至るまでの道筋、および評価基準を明確に定めることです。ターゲット像やペイシェントジャーニーを整理した上で、適切な目標指標(KGI・KPI)を設定します。ターゲットとなる患者が「どのようなプロセスを経て診断にたどり着くのか」を詳細に描くことで、行動変容を促すための具体的な施策につなげられます。
②体験設計では、ターゲットに合わせて最適なコンテンツやクリエイティブなどを構築していきます。たとえば、患者の「自分ごと化」を促す患者体験談や、専門的で信頼性の高い情報を届ける医師インタビューなどを企画・実装します。患者が抱える不安や疑問に寄り添い、納得感のある情報体験を提供することで、「受診してみよう」という自発的な意識変容を促します。
③行動導線設計は、単なる情報提供にとどまらず、患者を実際の受診や相談といった次のアクションへ直結させる機能を配置することです。AI要約では代替できない病院検索や受診相談シート、電話相談窓口などの具体的な行動支援ツールを実装します。情報収集から受診までのハードルを下げ、患者が迷わず次のステップへ踏み出せる環境を整えることで、実際の受診行動につながる可能性が高まります。
①~③を実施した上で、④計測・改善を繰り返していくことも重要です。施策の成果をデータで可視化し、PDCAサイクルを回して患者アプローチの精度を高め続けることが、成功の鍵となります。どの検索キーワードやWebページ、広告媒体からコンバージョンが発生しているかを詳細に分析し、データに基づく検証とブラッシュアップを継続的に繰り返すことで成果へとつなげられます。
本セミナーでは、メディウィルが支援した製薬企業様の事例を交え、「患者の行動変容を促す4つの要素」が含まれた疾患啓発施策について具体的に紹介しました。
「患者の行動変容を促す4つの要素」が含まれた疾患啓発の事例
- 株式会社ヴァンティブ様の病院検索システム導入事例
- 協和キリン株式会社様の「FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症」疾患啓発支援事例
- 株式会社メディコン様の「鼠径部ヘルニア」疾患啓発支援事例
- 旭化成セラピューティクス株式会社様の「骨粗鬆症および骨の検査(DXA検査)」疾患啓発支援事例
- 帝人ファーマ株式会社様の「副甲状腺機能低下症」疾患啓発支援事例
行動変容を高めるための運用改善で見るべきポイント
実際に運用改善を行う際は、大きく分けて4つのポイントから、改善点を分析していくことが大切です。

1つ目は、集客量の改善です。アクセス解析ツールを用いてユニークユーザー数や流入経路(自然検索、リスティング、ディスプレイ、SNSなど)、流入キーワード別の成果を分析し、パフォーマンスを確認します。たとえば広告であれば、このような分析を踏まえて効果の薄いキーワードの除外や成果の高い媒体への広告予算の再配分を行うことで、改善が見込めます。
2つ目は、体験・コンテンツの改善です。滞在時間、回遊率、動画再生数、離脱率などの指標から、サイト内での患者の体験を分析します。たとえば冒頭で離脱されている記事があれば、離脱を防げるようにリライトを検討します。その場合、リライトの方法についても患者の体験を分析し、仮説を立てて検証を繰り返します。加えて、人気のあるコンテンツの拡充も重要です。さらに、生成AIに参照されやすいFAQの作成や患者体験談の追加も効果的です。このように、患者のエンゲージメントを高められるような改善策を検討していく必要があります。
続いて3つ目は、行動導線の改善です。病院検索や電話相談といった、コンバージョンの発生数やCVR(コンバージョン率)をページ単位で分析します。高い成果を出している記事があれば、CTAボタンの配置やバナー訴求といった成功要因を特定し、その成功要因を他の記事へ横展開することで改善につなげられます。
最後に4つ目として、戦略・仮説の改善を行うことも欠かせません。施策開始時に定めたターゲット像やペイシェントジャーニーなどはあくまで仮説であるため、実際に運用を始めると乖離が生じることがあります。そのため、日々の運用実績に基づいて仮説をブラッシュアップし、次の打ち手へと反映し続けることが必要です。
製薬・医療業界に特化したデジタルマーケティングを提供する株式会社メディウィルでは、紹介した4つのポイントから課題を分析し、仮説・検証のプロセスを経て改善点をご提案しております。疾患啓発において「課題を感じているけれど、どこから手をつければよいのかわからない」とお困りのご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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