コラム

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の価値最大化を目指した希少疾患のデジタルマーケティング活用法

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の市場動向

世界のオーファンドラッグ市場動向

新薬開発の難易度が高まる中、オーファンドラッグの世界市場規模は着実に伸びています。Evaluate PharmaによるOrphan Drug 2020 Reportの調査結果によると、2019年に13.4兆円の市場規模だったオーファンドラッグ市場が2024年には22.8兆円となり、年平均成長率(CAGR)は11.1%となると予想されています。

(出典)Evaluate Pharma Orphan Drug Report 2020をもとにメディウィル作成

 

また、医薬品全体の売り上げの中で、オーファンドラッグの占める割合が2019年の19%から2024年には24%に上昇する見込みからも、製薬企業にとってオーファンドラッグの重要性が年々増すことが予想されます。

 

(出典)Evaluate Pharma Orphan Drug Report 2020をもとにメディウィル作成

 

日本のオーファンドラッグ市場動向

日本におけるオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)は、医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が日本において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものです。製品の指定が、直ちに医薬品の製造販売承認に結びつくものではありません。

その前提のもとで、過去10年間の希少疾病用医薬品に指定された日時を基準に年ごとの件数を時系列にグラフ化してみました。

(出典)厚労省 希少疾病用医薬品に指定された品目一覧をもとにメディウィル作成

 

2011年から2019年にかけては、ほぼ横ばいで推移していた一方で、2020年には前年対比約2倍の件数に増加しています。COVID-19の感染拡大した1年だったにも関わらず、外資系の製薬企業を中心に指定件数を積み重ねた年となりました。2021年以降は、製造承認、販売承認が増加することが予想されます。

 

オーファンドラッグにおけるペイシェントジャーニー

ペイシェントジャーニーにおける希少疾患の患者の8つの苦悩

武田薬品工業株式会社が2020年1月に発表した「日本における希少疾患の課題」というレポートによると、希少疾患患者はペイシャントジャーニー(患者が発病してから、適切な医療機関で正しい診断を受け、各方面からの支援を受けながら治療を進めていくプロセスを指す)において、以下のような8つの苦悩に直面すると指摘しています。

 

(出典):武田薬品工業株式会社「日本における希少疾患の課題」をもとにメディウィル作成

 

ペイシェントジャーニーの始まりの検査と発病プロセスにおいては、多くの希少疾患は認知度が低く情報が少ないため、「希少疾患に関する知識がなく受診が遅れる」、一般的な健康診断では希少疾患に関する検査が含まれていないことから「健康診断などで疾患が検出されない」という問題に直面します。

続いての診断プロセスにおいては、多くの希少疾患は確定診断をつけるのが難しく、複数の診療科を経由して診断に時間がかかることが多いため「専門医にたどり着くまでに長期間を要する」、「正確な診断を得るまでに時間がかかる」という苦悩があります。

診断後の治療プロセスにおいては、確定診断がついても治療薬が存在していない疾患が多いという「治療の選択肢が不足している」という問題、希少疾患の最新治療を提供できる中核拠点病院が少ない「専門治療に対応した医療機関が少ない」という課題があります。

最後の支援プロセスにおいては、疾患についての十分な情報が周知されていないことや、患者団体が少なくサポートが受けづらいという「疾患について周囲の理解が得られない」といった点、厚労省が医療費助成制度を運営している一方で、利用できない疾患もあり費用面での継続が困難だったり、定期的な通院が必要で治療継続を断念する「医療費や通院などの負担が大きい」という問題があります。

 

ペイシェントジャーニーにおける希少疾患の患者の8つの苦悩の解決法

 

ペイシェントジャーニーにおける希少疾患の患者の8つの苦悩に対して、メディウィルがデジタルマーケティング施策を活用して支援している「くるこつ広場」を例に解決法をまとめていきます (以下、文中のリンク先が該当する事例ページになります)。

 

(出典):武田薬品工業株式会社 日本における希少疾患の課題 をもとにメディウィル作成

 

「希少疾患に関する知識がなく受診が遅れる」、「治療の選択肢が不足している」ことに対しては、希少疾患に関する疾患の説明症状に関する情報治療方法の解説を発信した疾患啓発Webサイトを用意し、適切なアクセスルートを確保することで、情報提供という観点で一助となります。

「健康診断などで疾患が検出されない」という問題に対しては、疾患啓発Webサイト上のチェックシートの中で、疾患に関連する検査数値の参考値を提示することによって、患者の気づきを与えるきっかけを作り出せます。

「専門医にたどり着くまでに長期間を要する」、「専門治療に対応した医療機関が少ない」という点に対しては、専門医(相談できる医療機関)とつなげる病院検索Webサイトを提供することで、適切な医療機関を早期に知らせることができます。

「疾患について周囲の理解が得られない」ことに対しては、疾患啓発Webサイトを周囲の人にシェアできるような分かりやすい内容にすることや、機能的にシェアしやすいようにしておくことは大切です。

「医療費や通院などの負担が大きい」という点に対しては、医療費助成制度についてわかりやすく解説する記事を用意したり、患者自身の通院負担を和らげる体験談、医療従事者からのアドバイス記事等が一案です。

まとめ

このように世界的にオーファンドラッグの開発が進み、日本においても希少疾病医薬品の指定件数が増加している中、希少疾患患者が抱える悩みの一部を解決し得るデジタルマーケティングの活用は可能性を秘めています。

長期間の開発期間を経て上市されたオーファンドラッグをいち早く、適切に希少疾患の患者に届けられるような情報基盤構築の支援、そして患者側の求めることを企業側にリアルタイムに情報共有できる仕組みづくりのためにメディウィルはソリューション開発に挑戦していきます。

 

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カテゴリー:ブログ  投稿日:2021年02月03日

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