COLUMN オンライン展示会「Pharma Innovation EXPO 2026」開催報告

メディウィルは、2026年7月23日(木)・24日(金)の2日間、オンライン展示会「Pharma Innovation EXPO 2026」を開催しました。

今年で2回目となる「Pharma Innovation EXPO」は、「ライフサイエンス企業とイノベーションをつなぐ架け橋」をコンセプトに掲げ、製薬業界向けの最新DX情報の発信を目的に開催しました。当日はデジタルヘルス・ヘルステックの最新トレンド、ビジネスインサイト・組織戦略、リアルワールドデータ(RWD)の利活用、ペイシェントソリューションの最前線、注目のスタートアップ企業の紹介など、イノベーション企業・パートナー企業による講演(計20講演)を2日間にわたって全てオンラインで実施。このほか、出展企業18社の資料がダウンロードできるオンラインブースも開設しました。イベント終了後には、リアルイベントとして政策勉強会&懇親会を都内で開催し、参加者同士で見識や親睦を深めました。

結果的には、事前登録者数は1,170名(前回比+37%)、2日間にわたる20講演の当日の視聴者数はのべ4,648名(前回比+107%)、オンラインブースからの出展社の資料ダウンロード合計数は2,008回(前回比+73%)と、大盛況のもとで無事に終えることができました。今年も関係者からご好評をいただいたため、来年2027年7月22日(木)・23日(金)にも「Pharma Innovation EXPO 2027」の開催を予定しております。

本記事では、当日の出展企業からピックアップした4社の講演及び政策勉強会の内容を簡単に紹介します。

デジタルヘルス業界の最新動向と製薬企業のイノベーション(SMBC日興証券株式会社:徳本氏)

SMBC日興証券株式会社にてヘルステック業界の動向に力点を置いた分析を担当している徳本進之介氏(株式調査部 シニアアナリスト ヘルスケア担当)は、「デジタルヘルス業界の最新動向と製薬企業のイノベーション」のタイトルで講演しました。

徳本氏は、ヘルステック業界の企業の株価が個別単位で見ると下向き傾向にあると紹介。その理由としては、AIの台頭によって医師の情報収集の仕方や企業広告の捉え方が変化することへの懸念が挙げられると話しました。こうした状況のなかで、ヘルステック業界の企業が今後どのような事業モデルに推移していくと考えられるのかについても解説しました。

製薬企業向けサービスにおいては、マーケティングデータの利活用支援やコンサルティングなど、新しく付加価値を上げることに焦点が当たってきていると指摘。このほか、治験の効率化や、人件費高騰・後継者不足に直面する医療機関へのIT支援の重要性も高まっていると話しました。今後は、「個別デバイスから世に出ていないデータを取得すること」「患者さんのアクセスを増やすこと」「AIを活用すること」の3点が注目されていくと推測しました。

SMBC日興証券株式会社

資材・講演会・論文からコンテンツ自動生成。制作AIの最前線(株式会社シャペロン:原口氏)

製薬・医療業界に特化し、「製薬コンプライアンスを支える」というコンセプトのもとでクラウドサービスやAIを活用したマーケティング支援を提供している株式会社シャペロンの原口剛嘉氏(執行役員)は、「資材・講演会・論文からコンテンツ自動生成。制作AIの最前線」のタイトルで講演しました。

原口氏は、医師の情報収集手段としてデジタルツールが主流になるなかで、製薬企業には少ない人員でより多くのコンテンツを作る生産性の向上が求められていると説明しました。また、これからのデジタルコンテンツ制作には、年代や処方における価値観、デバイスなどのセグメントに合わせた「最適化・細分化」が必要であること、AIの要約機能等で情報収集を済ませるケースが増加しているため、AIクローラーに向けた対策も求められることを指摘しました。

こうした課題に対し、原口氏は同社のAIコンテンツ制作支援サービスを紹介。AIを活用して既存資材のスライドから解説動画やHTMLコンテンツを作成できるほか、講演会動画からサマリーやダイジェスト動画を作成する、論文から新規コンテンツを制作するといったことまで、AIを活用して短期間で実現できると話しました。同社では、AIの実作業と専門チームによる品質管理を組み合わせることで、コンプライアンスや高いクオリティを担保しつつ安価でスピーディーなコンテンツ制作を可能にしていると語りました。

株式会社シャペロン

医師を知るからマーケティングは進化する(株式会社医薬情報ネット:笹木氏)

製薬企業・医療機器メーカーへデータ・デジタル・リアルの3軸でマーケティング支援事業を展開する株式会社医薬情報ネットの笹木雄剛氏(代表取締役社長)は、「医師を知るからマーケティングは進化する」のタイトルで講演しました。

笹木氏は、デジタルチャネルの拡大や取得データの増加が進む一方で、製薬業界では企業の部門ごとにデータが分断されているために医師に対する理解の解像度が上がらず、マーケティング成果に繋がりにくいパターンが多いことを指摘。一人ひとりの医師に対して「学術活動から知る」「デジタル行動から知る」「リアルな対話から知る」といった3つの視点からアプローチし、それぞれのデータを統合して理解を深めることで、効果的なマーケティングに繋げられると語りました。

さらに笹木氏は、3つの視点を用いて得たデータを統合するために活用できる、同社のサービスを紹介。同社ではデータベース事業・マーケティングサポート事業・コンベンションサポート事業を展開しているため、3つの視点から得たデータを1社で一貫して管理できることが強みであると説明しました。

株式会社医薬情報ネット

製薬会社が取り組むリアルワールドデータ(RWD)の活用事例を踏まえた未来(インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社:東郷氏)

医療データベースをはじめとするリアルワールドデータを活用し、臨床研究や疫学研究を通じてエビデンスを創出しているインサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社の東郷香苗氏(ディレクター)は、「製薬会社が取り組むリアルワールドデータ(RWD)の活用事例を踏まえた未来」のタイトルで講演しました。

東郷氏は、リアルワールドデータを活用して仮説のもっともらしさを示すことで、課題に対するアクションの意思決定に繋げられることを説明。実際の事例も交えて、リアルワールドデータをどのように仮説検証に活用できるのかを解説しました。

国内で活用できるリアルワールドデータの具体例としては、保険者・支払機関・医療機関それぞれに蓄積されたレセプトデータや電子カルテのデータ、保険者が保険事業として組合員に対して行う健康管理のプログラムで発生するデータなどを紹介。近年は公的なデータ利活用環境の整備やAIを用いて情報を抽出・構造化する取り組みも進んでいるため、データベースごとの強みとリミテーションを理解したうえで、解決したい課題に合ったデータを選ぶことが重要だと話しました。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社

政策勉強会

リアルイベントとして開催した政策勉強会(招待制)では、西村あさひ法律事務所の吉原博紀氏(外国法共同事業 弁護士)が講師として登壇。吉原氏は、「医療DXの未来戦略~法と政策のアップデート~」のタイトルで講演。法規制を踏まえた医療DXの今後の施策や、関連法制の動向について解説しました。

その後、SMBC日興証券株式会社の徳本進之介氏(株式調査部 シニアアナリスト ヘルスケア担当)と弊社代表城間もパネリストとして登壇し、参加者からの質問も交えて法規制を踏まえた上でのイノベーションの促進をテーマにディスカッションをしました。

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投稿日:2026年08月24日

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