【医療広告規制】規制対象外だったホームページの2017年11月末時点の現状

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はじめに

2017年6月14日公布された「平成29年改正医療法」によって、今まで規制対象外だったホームページも広告規制の対象に含まれました。前回の記事では、2017年10月末時点までの状況と、そもそも医療法改正前までの医療広告規制について、未来創造弁護士法人岩崎崇弁護士に解説していただきました。

今回の記事では、2017年11月29日に厚生労働省で行われた「第7回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で議論されたことで、私たちが皆様に知っておいてほしいことを抜粋してお伝えします。

スケジュール

まず、規制開始までスケジュールです。まだ「案」とはなっていますが、以下のような流れを想定しています。

2017年12月〜2018年1月 省令・告示・ガイドライン(案)のパブリックコメントを実施
2018年1月 社会保障審議会医療部会へ省令・告示・ガイドラインについて報告
2018年3月末まで 省令公布
2018年5月末まで 周知・準備期間
2018年6月1日 法律、省令施行

年度内に具体案が固まり、6月1日より施行されると認識しておいてください。

新ガイドラインに移行

現状、医療広告規制は「医療法」と「医療広告ガイドライン」によって規定されています(より詳細を知りたい方はこちら)。これを、今回の法改正の内容を取り込みつつ、医療広告ガイドラインおよび医療機関ホームページガイドラインを統合し、新たに「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)」を制定することになります。

今までの文書が統合され、さらに内容がアップデートされると認識ください。

法律違反のライン

法改正前は、「虚偽」の広告を掲載した場合、法律違反でした。しかし今後は、「誇大」な広告、「比較優良」な広告、「公序良俗違反」の広告も掲載した場合、法律違反となり、罰則を受ける可能性があります。

患者さんの体験談

禁止になります。確かに体験談の情報は検討者にとっては参考になる点が多々ありますが、あくまでもその人にとってその治療やクリニックがよかったことで、他の人にも必ず当てはまるかというと、そうではありません。こうした性質を有するため、検討している人に誤った認識を植えつけてしまう可能性があります。そのため、「患者等の主観又は伝聞に基づく体験談の広告をしてはならないこと」と規定され、禁止になります。

一方で、下記のような表現がありました。

なお、個人による口コミなどのウェブサイトへの掲載については、誘引性が認められないため、広告に該当しない旨をガイドラインにて示す。
厚生労働省「省令(案)について」p.1

これはホームページのことを言っているのか、その他のポータルサイトや口コミサイトのことを言っているのか、まだ判断がつけられませんが、口コミは広告ではないとされます。

術前術後

今まで禁止の方向で調整されていましたが、今回修正が入りました。「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前後の写真等の広告をしてはならないこと」を禁止事項として省令に規定する。とされました。つまり、限定的に掲載が可能となります。

今回の法改正にあたり何度も協議を重ねられてきましが、今回の議論の前までは禁止の方向性でした。多くのメディアでもそのように取り上げられてきました。

しかし、確かに患者さんの体験談同様、人によって治療結果は変わるため誤った認識を植えつけてしまう術前術後ですが、それでも具体的な事例を事前に知ることの利益も考慮されました。

その結果、具体的な治療内容、副作用、リスクなどの詳細な説明が付与される術前術後であれば、掲載が可能となりました。

リスティング広告やバナー広告に紐付けたホームページ

法改正前は、リスティング広告やバナー広告に紐付けられるホームページは、広告可能事項が限定される広告に該当していました(より詳細を知りたい方はこちら)。今回の法改正で、これに当たらないとされ、実質的に規制が緩和されました。

パンフレットやEメール

この2つもホームページ同様、以前は規制対象外でしたが、今回から規制対象に含まれます。記載されている内容は、ホームページ同様、新ガイドラインに則る必要があります。

おわりに

以上が、2017年11月29日に厚生労働省の検討会で議論されたことで、私たちが皆様に知っておいてほしいことでした。その他にも議論されたこともありますし、新ガイドラインの案なども公表されています。興味がある方はご覧ください。

前回の記事でもお伝えしましたが、現時点で必要な対策は、ご自身のホームページのどの部分が問題になるかを把握しておくことです。来年初頭に正式に決まり、6月1日より施行になります。対応は正式に決まってからでも遅くはないはずです。

参考

第7回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

議事次第

省令の主な制定内容等及び新ガイドラインについて

省令(案)について

スケジュール(案)

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